吉野谷公園の「ボケ」の蕾です。
いわき明星大学「IT養成講座」終了後に
「ホームページがつなぐ学校と社会」
国際大学GLOCOM 豊福晋平氏
の講演会が開かれました。
先生は、教育工学が専門です。
教育工学とは:よりよく教育目標を達成することを追求する学問で、
学習の過程と資源についての設計、開発、運用、管理並びに評価に関する
理論と実践の学問ですが、
先生は、学校とホームページについて、研究されています。
1)学校サイトの設置率について
2006年のHP設置率は、公立校全体の76%(文部科学省調べ)
94~99が1期ブームで長い停滞・・・2004年以降第Ⅱ期ブーム
2)情報社会のシナリオ例
- 効率化・省力化・・・業務改善
- オープン性と分散協調・・・権限委譲とアカンタビリティ
- 情報の集約統合・・・グーグル、アマゾン
- 価値の可視化・・・見えにくいデータに説得力を与える。
といわれているので、情報の潜在的可能性を社会変革に生かせないだろうかと考え、
本気で社会を変えるためのアプローチとして、
3)変革のための4つの条件として
- 問題の所在
- 解決動機付け
- 具体的処方
- 説得的効果 として考えられ、
4)教育情報化の4原則(Ⅱ)
- 自立性
- 持続性
- 公共性
- 突破性 として考えられると話されました。
5)ではⅠ期の学校HPのブームは、作ることに意義があったと。
- 問題の所在・・・・・・目新しさだけ
- 解決動機付へ・・・・話題取り
- 具体的処方…・・・・ICT技術
- 説得的効果・・・・・・???
- 自立性…・・・・・・・・モデル校
- 持続性・・・・・・・・・・・半年持たない
- 公益性・・・・・・・・・・・研究発表の為だけか
- 突破性・・・・・・現状の枠組みを尊重 だったのではと結論付けています。
6)問題の所在
- 昨今の教育問題の背景・・・現場の自律性と行政からの統制等いろいろ。
- 学校不信(国民から見て)
- 学校の徒労感・・・一生懸命やっいるが認められない等。
- 教員の意識は低い・・・宣伝しても給料は増えない等。
- 学校情報開示のネガティブ・ループ・・・消極的情報開示の姿勢等。
- 学校不信の原因・・・マスメディアか(大衆の興味喚起が目的)
7)これらの否定的な現状打破として
学校広報は
- 学校に興味関心のある人
- ありきたりの学校の日常が重要
- 学校の臨場感・安心・信頼
↓
保護者がほしいのは「地味でべたな情報」
そこに学校サイトの特性があるのではと。
- 学校自身が編集発信(分権・自律性)
- コストをかけず(効率)
- だれでも閲覧できる(オープン・公益性)
- 学校サイトは学校日常(持続性)そのもの
- 保護者・地域・学校を直接つなぐ・・・教育ガバナンスの転換点(突破性)
↓
ここに、マスメディアと対抗する手段があるのではないか。
すなわち、情報開示のポジティブ・ループとして
- 説教的情報開示姿勢
- 学校の現実は学校サイトが優位
- 学校に対する信頼感や協調姿勢を強化
- 外部との円滑な関係によって、学校は自信と誇りを強める
ことができる手段として学校サイトを使えると。
しかしながら、学校、教育委員会には、HPの価値を循環させる仕掛けが欠けている。
ではどうすればよいのか。
オープンな情報を利用した第三者による
学校サイト評価と価値の可視化が必要だと。
8)こうして、学校サイトの勝手評価=学校評価が始まったと。
・・・J-KIDS大賞2007などで
- 学校サイトは学校日常である
①サイト評価は学校経営・学校活動全体の評価だ。
②広範な学校関係者の評価を認識させる機会だ。
- 評価の妥当性確保が課題
- 外部からの客観的評価(分権・情報集約)
①量的評価(i-leam.jpサイト更新率)
②質的評価(J-KIDS大賞)
※J-KIDS大賞の特徴
- 応募不要・予約なし勝手選考
- オープン客観評定法(1000名以上のボランティア、構造化された客観的指標)
- 選考過程(指標・分布傾向)の開示
- 毎年度500校を表彰
9)こうした取り組みによって、学校HPの社会化とは
- 問題の所在・・・・・学校教育に対する社会不信にあった。
- 解決動機付け・・・学校不信の自律的解決にあった。
- 具体的処方・・・・・ユーザーにやさしい環境にあった。
- 説得的効果・・・・・学校サイト外部評価にあった。ユーザーアンケートにあった。
- 自立性・・・・・・・・・学校の自律的情報発信にあった。
- 持続性・・・・・・・・・継続更新に意義があった。
- 公共性・・・・・・・・・学校内外にメリットがあった。
- 突破性・・・・・・・・・勝手評価。学校の自律性と教育ガバナンス転換となった。
10)今後どうなるか。
- 学校HPは次の段階になるのではないか。
①学校評価+学校広報
②学校広報+学校校務
- 次世代ツールの開発
- 効果指標の開発(ユーザーアンケートの標準化)
以上のように、豊福先生は、学校の現場で、コツコツとHPを作りながら、
評価されずにいた教師たちを、励ましつつも、
発想の転換によって、
学校の評価を外から評価することを5年間やってきました。
このような外からの評価は、今後、学校現場を大きく変えると同時に、保護者の
考えも大きく変え、マス・メディアを通すのではなく、
自分の判断で学校評価の契機になると思います。
豊福先生ありがとうございました。
教育のことは門外漢の私ですが、よく理解できました。
私の子供も、昨年より、教員をしていますので先生ことを勉強するように知らせます。
※豊福先生のことを知る為には:
グーグルで、「豊福晋平 国際大学」で調べますと、
「J-KIS大賞選考評定マニュアル」をはじめ、先生の事がいろいろわかります。
勉強してみてください。
豊福先生の研究サイトがわかりました。
http://www.i-learn.jp/ です。(3月13日現在はサーバー故障のため休止中です。
復旧には時間は、かからないそうです。)
1 件のコメント:
毎日更新しているようですね。いのししさんの真面目さが表れています。 とり
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