2008年2月26日火曜日

ホームページがつなぐ学校と社会(IT養成講座講演会)




           吉野谷公園の「ボケ」の蕾です。




いわき明星大学「IT養成講座」終了後に



「ホームページがつなぐ学校と社会」  

 国際大学GLOCOM 豊福晋平氏



の講演会が開かれました。


先生は、教育工学が専門です。


教育工学とは:よりよく教育目標を達成することを追求する学問で、


学習の過程と資源についての設計、開発、運用、管理並びに評価に関する


理論と実践の学問ですが、

先生は、学校とホームページについて、研究されています。

1)学校サイトの設置率について

 2006年のHP設置率は、公立校全体の76%(文部科学省調べ)

 94~99が1期ブームで長い停滞・・・2004年以降第Ⅱ期ブーム

2)情報社会のシナリオ例

  • 効率化・省力化・・・業務改善
  • オープン性と分散協調・・・権限委譲とアカンタビリティ
  • 情報の集約統合・・・グーグル、アマゾン
  • 価値の可視化・・・見えにくいデータに説得力を与える。

  といわれているので、情報の潜在的可能性を社会変革に生かせないだろうかと考え、

  本気で社会を変えるためのアプローチとして、

3)変革のための4つの条件として

  • 問題の所在
  • 解決動機付け
  • 具体的処方
  • 説得的効果  として考えられ、

4)教育情報化の4原則(Ⅱ)

  • 自立性
  • 持続性
  • 公共性
  • 突破性    として考えられると話されました。

5)ではⅠ期の学校HPのブームは、作ることに意義があったと。

  • 問題の所在・・・・・・目新しさだけ
  • 解決動機付へ・・・・話題取り
  • 具体的処方…・・・・ICT技術
  • 説得的効果・・・・・・???
  • 自立性…・・・・・・・・モデル校
  • 持続性・・・・・・・・・・・半年持たない
  • 公益性・・・・・・・・・・・研究発表の為だけか
  • 突破性・・・・・・現状の枠組みを尊重  だったのではと結論付けています。

6)問題の所在

  • 昨今の教育問題の背景・・・現場の自律性と行政からの統制等いろいろ。
  • 学校不信(国民から見て)
  • 学校の徒労感・・・一生懸命やっいるが認められない等。
  • 教員の意識は低い・・・宣伝しても給料は増えない等。
  • 学校情報開示のネガティブ・ループ・・・消極的情報開示の姿勢等。
  • 学校不信の原因・・・マスメディアか(大衆の興味喚起が目的)

7)これらの否定的な現状打破として

学校広報は

  • 学校に興味関心のある人
  • ありきたりの学校の日常が重要
  • 学校の臨場感・安心・信頼   

      

  保護者がほしいのは「地味でべたな情報」

  そこに学校サイトの特性があるのではと。

  • 学校自身が編集発信(分権・自律性)
  • コストをかけず(効率)
  • だれでも閲覧できる(オープン・公益性)
  • 学校サイトは学校日常(持続性)そのもの
  • 保護者・地域・学校を直接つなぐ・・・教育ガバナンスの転換点(突破性)

          ↓

ここに、マスメディアと対抗する手段があるのではないか。

すなわち、情報開示のポジティブ・ループとして

  • 説教的情報開示姿勢
  • 学校の現実は学校サイトが優位
  • 学校に対する信頼感や協調姿勢を強化
  • 外部との円滑な関係によって、学校は自信と誇りを強める

ことができる手段として学校サイトを使えると。

しかしながら、学校、教育委員会には、HPの価値を循環させる仕掛けが欠けている。

ではどうすればよいのか。

オープンな情報を利用した第三者による

学校サイト評価と価値の可視化が必要だと。

8)こうして、学校サイトの勝手評価=学校評価が始まったと。

・・・J-KIDS大賞2007などで

  • 学校サイトは学校日常である

    ①サイト評価は学校経営・学校活動全体の評価だ。

    ②広範な学校関係者の評価を認識させる機会だ。

  • 評価の妥当性確保が課題
  • 外部からの客観的評価(分権・情報集約)

    ①量的評価(i-leam.jpサイト更新率)

    ②質的評価(J-KIDS大賞)

※J-KIDS大賞の特徴

  • 応募不要・予約なし勝手選考
  • オープン客観評定法(1000名以上のボランティア、構造化された客観的指標)
  • 選考過程(指標・分布傾向)の開示
  • 毎年度500校を表彰

9)こうした取り組みによって、学校HPの社会化とは

  • 問題の所在・・・・・学校教育に対する社会不信にあった。
  • 解決動機付け・・・学校不信の自律的解決にあった。
  • 具体的処方・・・・・ユーザーにやさしい環境にあった。
  • 説得的効果・・・・・学校サイト外部評価にあった。ユーザーアンケートにあった。
  • 自立性・・・・・・・・・学校の自律的情報発信にあった。
  • 持続性・・・・・・・・・継続更新に意義があった。
  • 公共性・・・・・・・・・学校内外にメリットがあった。
  • 突破性・・・・・・・・・勝手評価。学校の自律性と教育ガバナンス転換となった。

10)今後どうなるか。

  • 学校HPは次の段階になるのではないか。

   ①学校評価+学校広報

   ②学校広報+学校校務

  • 次世代ツールの開発
  • 効果指標の開発(ユーザーアンケートの標準化)

以上のように、豊福先生は、学校の現場で、コツコツとHPを作りながら、

評価されずにいた教師たちを、励ましつつも、

発想の転換によって、

学校の評価を外から評価することを5年間やってきました。

このような外からの評価は、今後、学校現場を大きく変えると同時に、保護者の

考えも大きく変え、マス・メディアを通すのではなく、

自分の判断で学校評価の契機になると思います。

豊福先生ありがとうございました。

教育のことは門外漢の私ですが、よく理解できました。

私の子供も、昨年より、教員をしていますので先生ことを勉強するように知らせます。

※豊福先生のことを知る為には:

グーグルで、「豊福晋平 国際大学」で調べますと

「J-KIS大賞選考評定マニュアル」をはじめ、先生の事がいろいろわかります。

勉強してみてください。

豊福先生の研究サイトがわかりました。

http://www.i-learn.jp/ です。(3月13日現在はサーバー故障のため休止中です。

復旧には時間は、かからないそうです。)








1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

毎日更新しているようですね。いのししさんの真面目さが表れています。 とり