寛政十一年農家年中行事(いわき史料集成第一冊より)
寛政十一年農家年中行事(いわき史料集成第一冊より)
寛政十一年農家年中行事(いわき史料集成第一冊より)
原文を見てください。
寛政十一年農家年中行事(いわき史料集成第1冊より)
寛政十一年農家年中行事(いわき史料集成第一冊より)
今月の「なるほど歴史塾」の例会でした。
今月の「なるほど歴史塾」の例会でした。
講師は山名先生でした。
上記
長谷川安道著「寛政十一年農家年中行事」
(いわき史料集成第一冊より)
の六回目で最終回でした。
下記に現代文にまとめてみましたので、参考にして原文を読んで見てください。
下記に現代文にまとめてみましたので、参考にして原文を読んで見てください。
(正確さ、現在では使われていない言葉もあります。)
1.刈り上げの祝として、その分限に従い、モチをつき、諸神に供え、菩提所、祈願所、
舅、親元、祖父、祖母、兄弟、師匠にも届けます。
武士の猪の子モチと同じで、百姓の刈りあげといって、
年中の大変おめでたい大事な大斎日であります。
その後、田の神にて親、兄弟を呼び、小豆を茹でてモチで饗応します。
またその後、麦の刈り上げの時、親類、ご近所を呼んで、祝います。
今夜は、隣り、明晩は手前と毎夜、ボタモチをふるまいます。
百姓の富貴は秋です。
1.10月20日は、えびす講とて、正月20日に優れ、諸神を祝います。
1.11月1日は、神様が帰って来まして、村々、行事を執り行います。
1.4日、14日、24日は聖徳太子(技術者集団のお祝い)といって、
小豆粥に団子を入れて、聖徳太子に供えて、
家内切(かなき)としてわけはわからないが、祝っています。
1.15日が、年貢の納める時なのです。かねてより定まっている通り、
年貢を納める日限です。
かねてより、心掛けて完済しなければいけません。
(年貢を納めないと水牢に入れられてしまいます。)
(年貢を納めないと水牢に入れられてしまいます。)
1.15日は、油じめ、髪置、ほもとき、袴着、元服など、様々なお祝があります。
分限に応じて祝うべきであります。
1.12月1日は、モチをついて今日を祝います。
俗に川ひたりモチといいますが、そのわけは知りません。
せちのまきのこり始めともいい(正月に使う薪を取ります。)、正月の準備に入ります。
1.御厩、別当、馬喰、横目も監査して(無届で馬などを飼っていないか)、
村々の馬をあらためて40文を取り立てます。
他領の馬を育てていることについても吟味があります。
当日の出入りがないように心掛けなければいけません。
1.今日は、せちはらい、すすはらい、米つきなどをしなければいけません。
1.27日は、年季奉公の交代の日です。
男女の約束などは、証文をきちんと取って、目の前で、印を押して、届を出して、
金子を引き代えに必ずしなさい。
無証文又は印等のないものは、後で悶着を起こします。
下男、下女、そこに定住している時は、どの村の誰と申し上げねばなりません。
名主さんに届けなければいけません。
後日に問題を起こさないようにしなければいけません。
1.正月の支度として、串柿、述紙、鼻紙、桶、柄杓、肴の類、野菜の類、炭、たきぎ、
きゃらの油、ハキモノ、あるいは歳暮や年始始の進物などを整えて、門松を整え、
歳末の集金はすませ、歳末の失礼は申し訳ありません。
あるいは、集金の催促をする者に留守をよそおうなど不本意に至るなど、
心がけの悪いことをしてはいけません。
1.家、1件の入用を合わせてみますと、
夫婦、子供2人、両親、合計6人、馬1匹は、百姓として、中農で、
その入用のあらましを左のかきだしてみます。
覚
原文を見てください。
〆て
1日 68文 3分 1厘 (1文:50円・・・現在の3400円くらいか)
最もタバコなどを作らなければもっとかかります。
もちろん、仕立物や、足袋、雪駄なども自家製でなければよりかかります。
右の他かかる費用として書きだしてみますと、
初子七夜のお祝い、疱瘡祝、さかゆの祝、髪置、袴着、ひもとき、初登山、元服、
鹿嶋、伊勢参、婚礼などの費用まで、ことごとく戻り書き写す暇もありません。
なお又、西国順礼、羽州湯殿山、仙台の羽黒掛、会津の虚空蔵、米沢の文殊、
越後の七不思議杯などは、物持ちの仕事です。
普請、引っ越し、厩、雪隠、溜桶の交換、井戸掘り直し、祖父、祖母の札打、
念仏の仲間入り、不幸の事、年忌仏事の弔などは義理に合わせなくてはならず、
この物入りは平常、ためておくべき事です。
又この他に入仏、開帳、十夜別事、常念仏の回向、遷宮、火つるぎ、太々神楽、
修験の火焼三昧、不動護摩、出家の大般若、曼荼羅供、宝物開帳、
勧請の生導などことごとくやっていたのではお金は足りません。
なお又、狂言、渡り芝居、操、勧進相撲、曲馬、軽業、香貝の追出、見世物、辻占、
辻書の唐札、歯抜の居合、売薬の弁舌、弄玉(ろうぎょく)の長見物は、
家業の妨げになります。
様々な祭礼、仏事、入湯、遊山、花見、川狩、殺生、夏山の1人生活、わらび、
秋の栗拾、きのこ取、肴持ち寄っての酒盛など無益の事はやめなければいけない。
その他、新規の月日待、愛染講(男女和合の神)、伊勢講、鹿嶋講、日光講、
観音講、札打、山の神、旅などに心をまかせておけば、おごり長じて、
借金取りに押されて、田畑を売ることになって大変になってしまいます。
穀物において、42俵1斗、お金にして、25貫600文くらい諸入用がかかり、
余計は格別にありません。
ならば、昼夜寝ないで働いてもできない。
よくよく考えて行動しなくてはいけません。
右の書は自分の身持ちを悪くするものにこりごりするものにて、
よく導きするように書きました。
以上で終了です。
前回のプログでも書きましたが、
あの「寛政の改革」の真っただ中で書かれたものに驚かされます。
すごい記録が残り、
私達がこうして読めることに感動しました。
山名先生ありがとうございました。
今回で江戸時代は終了しまして、
来月より、明治時代に入ります。
いよいよ、近代の勉強です。
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