2008年9月21日日曜日

なるほど歴史塾

                 大國魂神社内にあります。

                様々な像がありますよ。

            一度、ゆっくり、大國魂神社を参拝しませんか。

                 縁起ものもあります。

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    寛政十一年農家年中行事(いわき史料集成第一冊より)
   上下が逆になっていますので下から上へと読んでください
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     寛政十一年農家年中行事(いわき史料集成第一冊より)

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    寛政十一年農家年中行事(いわき史料集成第一冊より)

今月の「なるほど歴史塾」の例会でした。
講師は山名先生でした。

上記「寛政十一年農家年中行事」・・・長谷川 安道著
(いわき史料集成第一冊より)
の五回目でした。

下記に現代文にまとめてみましたので参考にして原文を読んでみてください。
(正確さ、現在では使われていない言葉もあります。)

1.正月、5月、9月、祈願所に集まって日待をします。
  家内安全、五穀成就を祈ります。
  この日に村の掟を破って常々人々の遊ぶ時をねらって田畑に出て働く者は、
  心がけが悪いものです。

1.畑も、やぶ切りを2番、3番手入れし、すき返しする時は、妻子も喜ぶことです。
  雨の時は、ヒルモ、草を抜き、田植より20日過ぎる時は、田の草を取る時です。
  どんなに肥料をかけるよりも田の草取りに精を出すことがいいことです。
  もちろん、水かげんも、田まわりすることにも心掛けるべきです。

1.浅草刈りの草は、すぐに、馬小屋に入れ、たい肥を作り田畑に入れます。
  来年のたくわえ馬も、丈夫になります。

1.6月1日は、歯固めといいまして、正月の水もちを今日の祝とします。

1.土用は、暑気になって、持病持ちは、灸などで療養しなければいけません。
  又この時期、麦をつき貯めて、
  何年も無事に過ごすため、貯蔵しなければいけません。
  寒中に食べるためには、いつまでも無事に貯蔵することです。

1.稲の虫気ある時は、村役人に連絡し、村境まで行き、
  虫送りしなければいけません。

1.木綿、タバコの芯を止めて、ままこの枝を油断なく取らなければいけません。

1.にんじんは、、土用の10日前に播きなさい。遅れて播けば色が悪くなります。
  だいこんの播きどきは、土用に入っては日積し、村の土地によります。
  肥し、手入れの事は、名人に聞いてやるべきです。

1.15日は、牛頭天皇(神仏信仰の神様)の祭りであります。
  小麦の餅をこしらえてお供えします。 

1.藍草は、麦跡に播いて、春、ところを見て刈り干します。
  そのやり方は、名人に聞くべきことです。

1.7月1日は、仏の門出といって新しい仏をまつることになります。

1.湯殿さん(出羽三山)に行って家内安全、五穀成就を祈ります。

1.七夕は、五色の紙に五色の短冊をして、
  新しい笹に結んで今日の神にお祝いします。 

1.7月13日のお盆、夜は、菩提所に行って先祖の墓所にたいまつをともし、
  新米を供え、香花をささげ、念仏回向をします。
  三界無縁様を忘れないでたの称名をやりなさい。
  又、家内には、精霊棚を飾り、とうみょうをとなえ、香花、追善を営み、
  念仏を唱えなさい。

1.7月14日には、待儲(お経をあげる時)の時、モチをつき、
  ご飯を炊き、そうめんを茹でます。
  ただし、両親のある人は、朝、仕事をして、肴を食べさせ、
  両親の存生を祝って挨拶していきなさい。

1.15日は、盂蘭盆として今日もモチをつき、盆棚にそなえ、
  舅にちゃんと挨拶しなさい。

1.16日は、送盆として、精霊棚を持ち出し、川に流します。
  また、カラムシの葉に団子を包み、冥土の土産に持たせます。
  白瓜、まくわうり、きゅうりなどに足をつけ、馬とします。
  それも川に持ち出して流します。

1.田の稗が穂を結んできますので、油断なく、他の草を捨て、
  畔の草も捨て、畑の草も捨てなければいけません。
  貧乏草の種が田畑に残してはいけません。

1.粟、稗、キビ、小豆、大角豆などは、出来次第つかみ取り、
  二百十日近ずく時として、油断なく、早く収穫するようにします。

1.8月1日はそれがなければ、百姓は、めでたいことですよね。
  とお互い挨拶します。
  5節句とは、元旦、上己、端午、七夕、重陽で、
  五節句の花とは、
  元旦の梅、水仙、金銭花、
  上己の桃の花、柳、クワン草、山吹、
  端午の花の竹、アヤメ、ヨモギ、石竹、
  七夕のキキョウ、仙翁花、梶の葉、
  重陽の菊、萩、鶏頭など五節に供える花です。
  このように、農人たりとも、五節句を知らなくてもいいのではないのです。

1.8月3日は、畑の年貢を納めます。もしおさめられないと村役人が困ります。
  (責任になります)

1.8月15日は、放生会(生き物を放してやる=コイなどを放してやる)を行い
  山州男山(八幡様)のお祭りで、やぶさめ、神楽舞、
おみこしなど神事が行われます。
  柿、なし、生姜、ズイキニなどことごとく売買いたします。

1.彼岸は、2月に種を配り8月に田畑の耕作を出来、役人に初穂を持っていき、
  家内の神々、背々(裏門)の氏神、鎮守、産宮、
先祖代々の精霊などにも供えます。

1.9月3日には、山年貢がかかります。名主より割り出します。
  滞納しないようにしなければいけません。

1.小麦は、9月15日に播かなければいけません。後半の15日に播くには、
  不作の原因になりますと名人がいっていいます。

1.15日前の上旬は、月夜の為、たいまつはいらず、
  その上に暖かいので働きやすい。
   闇の夜、雨の夜は、縄よじり、俵あみの用意をして秋を待ちます。

1.大豆、えごま、さといも、こんにゃく、きのこいも、生姜の種のその年の出来、
  不出来は、霜の降るのを見て、天気を油断なく取り作るべきです。

1.中旬、大検見(稲の出来具合を見て回る)の前日、おふれがあり、
  お通りする道、橋の掃除を行い、指図を受けて、御休所を設置することです。

1.大検見の為、郡奉行、御代官、その他の役人達が随行するときは、
  蘆外なく心がけなくてはならない。
  御役人は、稲の善悪を坪刈りをしてみます。
  お昼休みの宿において、年貢の収納について、名主、組頭」、田主、立会の上、
  升目を改めて、帳面に書き込みます。(太閤検地=升目を統一したのが秀吉)
  次に、村々の名主、組頭、老百姓などは、例年の通り大検見し、
  年貢高が決まれば、それぞれに稲刈りをします。もみで俵に積みます。
  村ごとに蔵に納め、浜に運んでいきます。(江戸藩で使うまたは販売する為)

1.御検見で、通行を済ませれば、天気次第で、稲を刈り、
  収納して名主指示の蔵に入れ、
  浜津に出す者は、縄俵を粗末にしないで、とましば、台木など
  間違いのないようにしなければいけない。
  お金ですませるわけではないので、完全にやるように心掛けるべき時です。

1.9月は、鎮守、氏神様の祭りの為、御幣を供え、家内安全を祈り、
  よかったというので、御幣を供えます。

1.9月の重陽の節句、今日より」冬の衣装になります。
  しからば、8月下旬より、袖縁、裾廻し、おびきなど、
  女房は衣装の準備を間違いのないように心掛けなければなりません。
  家内の人数、洗濯、綿入等など、女房の心掛けが大事すよと。
  田畑作物、の年貢を納め次第、冬着、節衣を心掛け、
糸を引いて幟を織ります。
  紺屋で染め次第仕立てで正月を待ちます。
  又、手拭、頭巾、羽織、上着」、下着、帯、股引、脚絆、足袋、くつずり等まで、
  差し支えないように作っておきます。
  なおまた、絹布は、百姓が使うものではありません。
  無算、無筆にて、大食、大酒、けんか、ばくち、悪口、ひるね、いねむり、
  大あくび、うそつき小盗、じせぶりはよく覚えて、われ負けふうじとして、
  小袖の中の臭いものを出して、人間として慎むべきです。

1.日待の事、信仰をすることです。

1.麦の収穫が終了すれば、田をおこして、タキギを貯え、村の所々を手励みをし、
  少しでも、金儲けを心掛けるものです。
  金儲けは、先山の炭、タキギ、松、松ヤニ、イコ、イモ、山アク、こぼく、メウド、
  鍬柄、斧台、火口、など、村の外では、破魔弓、、箭、羽子板、笊(ざる)、
  籠、フコフルイ、ムシロ、ゴザ、草履、木履、野菜など、
  市において、小名浜、上遠野、木戸、富岡、久之浜、四倉、平の
  六市にて売買して金銭にします。
  年貢は申すまでもなく、名主、組主の雇銭や紺屋の染賃、綿の打賃、
  味噌の塩代などに、
自分で準備できるように心掛けるようにしなければいけない。

1.二十三夜は、モチをつき、モチを供え、菩提寺、祈祷所、
  親元、師匠に持っていきます。

1.10月は、神無月といって出雲に登る諸神、留守には、山之神、老若、酒、
  さかなをさかし、山神(田の神)を祝います。

1.今月、畑の2番年貢で、
  前々より決められた通り遅れないようにしなければいけません。

今5回目は、ピッチが上がり、あと1回で終了しそうな勢いでした。

5回で、10月まできまして、あと11月と12月で終了となります。

寛政十一年農家年中行事(長谷川 安道著)を今まで読んできまして、

淡々と、自分達の生活を書いていますが、

この寛政11年の時代とは、あの「寛政の改革」の真っただ中で、

いわきの泉藩主「本多 忠籌」・・・「寛政の改革」のNO2が、

老中を辞職(寛政10年)して、
いわきに17年ぶりに帰ってくるのが
寛政12年という激動時代ではないでしょうか。

そうした激動時代にかかわらず、

淡々と農業と生活を丁寧に淡々と描いていることに
驚きと同時に感動を覚えます。

すごいの一言です。

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