今月の、「なるほど歴史塾」の例会日でした。
参加者は、14名でした。
長谷川 安道著「寛政十一年農家年中行事」の四回目でした。
山名先生の講義の部分は、いのしし君の現代語訳がまだできていないので、
後で書かせていただきます。
[なるほど歴史塾」では、山名先生の講義の後、毎回、塾生が、30分くらいお話をします。
今回は、いのしし君が話をしました。
江戸時代のエネルギー消費に学ぶ
・・・石川 英輔さんの本より(東北原子力懇談会発行)
1. 江戸時代を調べていくと今のことがよくわかります。
昭和30年代までは江戸時代に近い生活をしていました。
昭和35年以降の今の生活は、短い期間で生活を劇的に変えました。
2. エネルギー消費がもたらした現代の豊かさ→エネルギー消費の違いです。
夫婦と子供2人の家族で、毎日石油40ℓが必要。
日本人一人当たり、12万5千カロリー、其の内10万キロカロリーが化石燃料
(石油・石炭・天然ガス)と言われています。
では、今のエネルギーの半分の時代はいつでしたでしょうか。
1970年(昭和45年)、そんなに不便な時代かと思われますよね。
理由は簡単です。
1970年の自動車の普及率は30%、現在は、140%と4倍を超えています。
人口密度の低いところでの自動車の普及でした。そのつけが今の状態です。
3. では江戸時代を今と同じ基準で計算しますとゼロです。
太陽しかエネルギーがなかったからだ。地上の動力の96%が人間の力でした。
人間は何で動くのですか→前の年に収穫された食物で→太陽エネルギーと人間で。
このように江戸時代は、100%近く太陽エネルギーだけを使って生活を営んでいましたので、
エネルギー消費量はゼロの社会で、260年続き、本当に何も起こらないのんびりした社会でした。
※なぜ私達は、江戸時代がひどい時代だったという教育を受けたか。
歴史学が昔から紙に書いてない資料にないことは研究の対象にしないし、
詳しく研究されなかった。
紙に書いてあることとは、普通ではないことが書かれているからです。
今のテレビのニュースを見れば歴然でしょう。
普通ではないこと、飢饉、一揆だという特殊なことが記録に残るのです。
このように江戸時代は、びっくりするくらい何も起こらなかった時代でした。
江戸の町は100万人、警察は何人いたと思いますか。正規の警察官は12人。
1829年(日本の文政年間)ロンドンは、3235人の警察官(人口は90万人)
江戸時代は、ほとんど犯罪がなかった。
4. 私達の生活で一番大事な衣食住について
① 和服は、1枚持っていれば本当につぶしのきくものでした。
田中優子さんの実験によりますと普通の暮らしでは、4枚あればOK。
洋服ではそうはいかない。
② 食ではどうか。太りすぎの心配をするようになったのは最近のこと。
昔の人は何を食べていたのか。
私達の子供時代の食べ物です。
7月12日福島民報に、田中先生が書いています。
③ 住ではどうか。
電話・自動車も何もない時代→どこに行くにも歩き→狭い方が効率的
昔の生活と今の生活を比べて私達は何をやっているかといいますと
無駄なことばかりではないかと。
このように、江戸時代のエネルギー消費量がゼロで今と比べて、
10万対0というものすごい生活水準の格差があったわけではない理由が、
リサイクル=循環社会の徹底。
今の政治の馬鹿さ加減の政策
(何千万台のテレビの廃棄をどうするつもりなのですかね。)と比べていかがですか。
l . 紙の再生は5次まで。
l . お米=稲作。人口の45%500万トンが稲作でした。
今は、わらが少ない品種を作りますが、江戸時代は、
逆にわらがたくさんできる品種に改良しました。
(500万トン)その年に収穫された米は、備蓄分と種籾を残して食べてしまい、
排出物は「下肥」(現在は飲める水で流してしまう)として、商品にしました。
(藁といっしょにかけて)→大地に戻す。(環境にも汚物を流さないので、川がきれいで、
川が水道だった。)
藁の50%はたい肥に、30%は炊きつけで灰になります(肺はカリ肥料に)
20%は、わら製品に。このように、米も、500万トンのわらもエネルギーを使わずに
全部使い切ってしまう社会でした。
こうして、
グルグル循環が毎年始まる何も増えも減りもしない社会でした。
そして、江戸時代国土の15%が農地、5%が人間が住み、(平地面積が20%の為)
これで、3500万人を養っていました。
江戸時代の世界を見ても日本より人口の多い単一民族は中国だけでした。
1790年のフランス大革命のときで2300万人です。
5. 今の私達のくらし→大変豊かかもしれないが、
ムダという字の塊だ。一例は、栄養を取りすぎ太ってメタボ→食生活が原因
高脂肪・高タンパク・高カロリーの食べ物を食べ、生活が不規則、運動不足
→小中学生の3割が生活習慣病
戦後、
「いい生活」「いい生活」と求めてきた結果がこれでした。
結局、
石油を買うためにやっていることが多いのでは。
また、自然エネルギーを作るのならその分使うのをやめるべきだと。
節約することです。
そうすれば、燃料がどうだ。灯油がどうだという心配はなくなる。
ムダを省き「節約」が大切。
ではどのようにエネルギーの使用量を減らしていくのか。
丈夫なものを作り使い切っていくこと。
どんどん捨てないといけない経済を変えていかないと。
経済・経済と経済活動の為にいろいろ進めてきたのが結局、
その為に自分たちを困った状態にしてしまったのだと。
経済成長率は、0.3%くらいで200年以上大きく環境を汚すこともなく
絶滅動物は一種類もなく維持してきた江戸時代と今。
どちらが豊かな社会か、考える時ではないでしょうか。
あなたは、どちらで生きていきますか。
(いのしし君の考えです。)
と石川さんの「江戸のエネルギー消費に学ぶ」を要約しながら、話しました。
石川さんの結論には、いのしし君も常々そう感じていましたので納得しました。
なお、石川さんは東北原子力懇談会より
- 平成14年6月20発行で「」江戸時代から見た21世紀のエネルギー問題
- 平成16年12月20日発行で、「大江戸・見・聞・録」~「道中でござる」から現代を見る
など面白い本を出しています。
又、 - 大江戸えねるぎー事情・・・・・・講談社
- 大江戸ボランティア事情・・・・・講談社
- 大江戸生活事情・・・・・・・・・・・講談社などがあります。
参考にして見てください。
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